〜 縮毛矯正 〜
縮毛矯正とは
本人が生まれもった縮毛(くせ毛)を、1剤の還元作用で不均一に並んだシスチン結合を切断し、真っ直ぐな状態で再結合しアイロン160度〜180度)orブロー(110度〜130度)の熱により固定、2剤による酸化作用で完成させる。
縮毛矯正とストレートパーマとの違いは?
- ストレートパーマ
ストレートパーマは、本来直毛(ストレート)の人がパーマなどをかけた後に、元の髪質に戻すために行うものですので、クセ毛の人がストレートパーマをかけても、ストレートパーマの効果が落ち、時間が経てば再びくせ毛に戻ってしまいます。基本的には結合系の種は、ほぼSS結合でおこなう技術
ですので、強いクセ毛の方がストレートにしたい場合は、ストレートパーマではなく、縮毛矯正をおすすめします。熱を加えないぶん髪の負担は軽減される。
- 縮毛矯正
縮毛矯正は、大きく分けて2つで、薬剤とヘアアイロン系、薬剤とブロー系によって、くせ毛をストレートにする。こちらはSS結合や水素結合を用いて施術していく。伸ばした髪の毛は半永久的にストレートになります。こちらは薬液処理+熱処理をおこなうため髪へのストレスはストレートより多少あるただ、低温矯正やブロー矯正、酸性矯正など矯正自体も進化しているため昔ほど負担はなくなっている。元々直毛(ストレート)の方が、パーマなどをかけた後に元に戻すためには、ストレートパーマで十分だし、強いくせ毛の人は縮毛矯正がおすすめで、以上のように縮毛矯正とストレートパーマは別の物と考え、それぞれの人のスタイルや施術前歴に合わせて選択すれば良いのです。
クセ毛のメカニズム
くせ毛には、いくつかの種類がありますが、その程度はチリチリしたくせ毛から軽くウェーブになる程度のくせ毛からさまざま。髪の毛がくせ毛となってしまうのは、髪の毛のメカニズムによって違ってきます。
くせ毛を髪の毛のメカニズムによって分類すると、結合によるゆがみ、髪の毛の内部にあるタンパク質繊維の不均一、髪の毛が生えてくる毛穴が曲がっている、の3つ分けられます。
『結合によるゆがみ』によるくせ毛は、髪の毛が出来上がる時にはS=S結合と呼ばれるたくさんのタンパク質の結合が繋がっているのですが、その結合がずれてしまって結合すると髪の毛がくせ毛となってしまうのです。
くせ毛をまっすぐにする縮毛矯正やストレートパーマは、この結合を一度壊し、まっすぐにして再び結合するという仕組みなのです。『タンパク質繊維の不均一』によるくせ毛は、髪の毛の中心は毛髄質(メヂュラ)と呼ばれる成分でできていて、毛の表面は毛小皮(キューティクル)によって守られています。
その毛髄質と毛小皮との間にあり毛の90%近くの成分を占めているのが毛皮質(コルテックス)です。この毛皮質の中にある2種類のタンパク質繊維が均等に分布していると直毛となるわけですが、不均一になるとねじれやくせとなるのです。
『毛穴の曲がり』によるくせ毛は、髪の毛が作り出されて毛穴から表面に出てくる時に毛穴が曲がりすぎていると、くせ毛になるのです。また毛穴が汚れなどで詰まっていたりすると同じように曲がって生えてしまうのです。
3つの構造によりくせ毛になるのですが、結果的には毛穴が曲がっているためにタンパク質繊維が不均一になったり、結合がゆがんだりするので、毛穴が曲がっているという事が一番の要因と言えます。
クセ毛の種類は?
縮毛(しゅくもう)
縮毛とは縮れた髪の事を言い、髪の毛が硬く太い人や黒人、アフリカ系の方に多い髪質の事を言います。 特徴を言えばチリチリとした縮れた髪の事で、髪の一本一本が強いクセを持ち縮れているのですがその髪質と同時に波状毛や連球毛を合わせて持っている場合も多く、クセ毛の中で一番クセの強い髪質になります。
捻転毛(ねんてんもう)
捻転毛とは、髪の毛一本一本がコイルの様に捻れている髪質の事を言います。ですので頭髪全体を見ると捻れている髪が集まっているのでバランスが悪く、髪の太さも一本一本違うので見た目としてもあまりよくなくスタイリングもしにくい髪質になります。 ですが捻転毛はあまり見ないクセ毛でして、とても珍しいものになりますのでこのクセ毛で悩んでいる方は少ない
波状毛(はじょうもう)
波状毛とは、日本人の中で特に多いクセ毛のタイプで、軽くうねっているものからパーマをかけたかの様なクルクルとウエーブがかかっている髪質の事を言います。 『波のよう状態の毛』という事です。 クセが強い髪のようにも見えますが、この波状毛とは個人によってクセの出方が違い、本当に波の様に強いウエーブが出ている人もいればよくみればうねっているな、ぐらいの軽いクセの人も居る。個人差の大きいクセ毛の種類
連珠毛(れんじゅもう)
連球毛とは、髪の毛一本一本がでこぼこしていて、球体が連なったような、触った感じ髪の太さが均等で無い髪の毛の事を言います。ですので波状毛や縮毛のような髪の形そのものがクルクル巻いている感じではない。
クセ毛の種類だけでもいろいろありますね!!次に縮毛矯正には欠かせない結合の種類ですね。
結合の種類は?
主に髪の結合には4つの結合があります。
①還元剤による、シスチン結合
②アルカリによる、(1)塩結合(2)イオン結合、
③水分量による、水素結合などがある。
シスチン結合(ジスルフィド結合)
髪の毛を形作る4種類の結合の一つ。パーマでも同じく作用し、結合が切れた時は髪の毛がかなり柔らかくなるのが特徴。特有な匂いを発する。また、熱にも弱くアルカリ性でもダメージを受けやすい。(ph12のアルカリ性の薬剤で髪の毛が切れるといわれている)
1剤の役割
還元剤とも呼ばれている。主な役割は髪の毛のシスチン結合を切断する。アルカリ性の薬剤が一般的に使われている。アルカリ性に髪の毛のphを傾け、還元剤によりシスチン結合を切断。
軟化させ開いたキューティクルから還元剤を浸透させる。
還元させる成分の種類
チオグリコール酸 システアミン チオグリセリン スピエラ GMT
アルカリ剤の種類
モノエタノールアミン トリエタノールアミン アンモニア
重要事項
アルカリ剤を強くすれば当然、還元剤がしっかり働き癖も伸びる。ですが、縮毛矯正はかなり高いアルカリ剤を使用しているため、時間を置きすぎてしまうと髪の毛が切れてしまう、ビビリ毛(チリチリした毛)になってしまう。
アルカリ剤を使用しない
アルカリ剤を使用しない薬剤もある。キューティクルを水分等で開かせ還元剤を浸透させる。キューティクルのスキマから入る物もある。ノーダメージではないが、アルカリ性に比べダメージも少なく、ビビリ等失敗が少ない。デメリットとして、時間が少しかかる。
アイロンとブローの役割
1液を流し、結合が切断されて柔らかい状態の髪の毛を真っ直ぐに固定する。(1液の段階で、髪の毛の癖は無くなっている。癖が残り、アイロン等で伸ばした仕上がりは固くなる)
髪の毛の質感、癖の伸び、持ちに大きく関わる工程。
アイロンは、1液流し→ドライ→アイロン
ブローは、1液流し→ブロー
の順で進める。
重要事項〜熱のダメージ〜
癖をしっかり伸ばす。過度な、アイロンの当てすぎによりハリガネの様な不自然な仕上がりなったり、ガサガサした手触りになる。
ブローの仕上がり
アイロンに比べ、非常にナチュラルな仕上がり。手触りも柔らかく、コテで巻いても不自然な感じも無い。デメリットとして、少し時間がかかる。高度なテクニックを美容師に求められる為、メニュー展開しているお店が少ない。
アイロンの仕上がり
より真っ直ぐな仕上がりを求める方向け、質感もブローに比べ硬い。
ブローに比べ、スピードはやや速め。多くの美容室では、アイロン施術一般的に使用される。
2剤の役割
酸化させる為の薬剤。酸性。1剤で切断したシスチン結合を再結合させる。アイロンやブローの工程でも
酸化作用があるため、放置時間は5分程。全く痛まない訳ではないが、ほとんどダメージは感じられない。
酸化とは
分かりやすく言うと、空気に触れさて結合を固定させる事。縮毛矯正に限らず、パーマなどでも同じく酸化作用のある2剤をつける。カラーなどでも、塗布後に酸化させる事により発色を鮮やかにする。縮毛矯正や、パーマ、カラー等薬剤を使用する工程で完全度を上げるうえで非常に大切です。
湿気と縮毛の関係
まずはどうして湿気がひどいと髪が膨らむのか?大きく別けて2つあります。髪の構造は『キューティクル』と呼ばれるうろこのような形状をした髪の表皮にある繊維で、またの名を『毛表皮』とも呼ばれているものがある。このキューティクルが髪の内部にある水分や栄養分を外に逃がさないよう守ってくれるのですが、様々な要因によりキューティクルが剥がれてしまう事があります。こうして出来上がるのが痛んでしまった髪なのですが、この傷んだ髪というのが湿気により膨らんでしまう髪なのです。 そこでなぜ髪の傷みにより湿気の多い日などは髪が膨らんでしまうのかですが、キューティクルが剥がれてしまいキューティクルとキューティクルの間に隙間が出来る事により空気中の水分が隙間からどんどん髪の内部に入り込みます。そうすると髪が水分を取りすぎた状態になってしまい、髪の内部にある『コルテックス』と呼ばれるたんぱく質の繊維の水分バランスが崩れ髪が膨らんでしまうのです。 ここまでが髪が湿気により広がってしまう理由が1つ。2つ目は、たとえばサウナなどの温度が高く湿度が高い空間に入ると肌の毛穴が開くようにキューティクルも開き水分がどんどん髪内部に吸収されて水分バランスを崩します。これらを読むと髪が膨らまないようにするには髪の傷みをなくし綺麗なキューティクルを維持することが大事だと分かっていただけると思うのですが、一度失われたキューティクルは完全には元の形に戻りません。ですのでキューティクルを補修しながら髪が湿気により膨らまないよう、ケアや対策を練る事が髪の膨らみを防ぐ現実的な方法になります。適正水分バランスが重要となります!!
部分矯正の種類と方法
前髪
前髪のクセが強い人、前髪をつくりたいけどクセで上がってしまう人など
顔周り
顔周りのクセが強い人、顔周りをタイトにしたく小顔に見せたい人など
ミドルセクション
中が脹らむ人、そんなにまっすぐにはしたくなくでも頭の膨らみが気になる人
ハチ周り
ハチが出ていてくせ毛の人 そんなにクセは強くないけど頭が大きくみえる人
トップ外し
髪が少ない人や、細い人、トップに動きが欲しい人、トップにボリュームが欲しい人
前髪外し
前髪がそんなに強いクセではなく前髪を自然に流したい人
ストカル
根元矯正と毛先パーマのコンビ
Q&A よくある質問
Q 縮毛矯正とストレートどちらを選べば良い?
A 地毛の癖を伸ばしたい方は、縮毛矯正。パーマ落としや、地毛の癖を伸ばさなくても良いのでボリュームだけダウンしたい方はストレートパーマがお勧め
Q ストレートの不自然な感じはどうしたら良い?
A ハリガネのようになってしまうのが嫌な方は、当店でおすすめしているブロー矯正がお勧めです。より、毛先に動きが欲しい方は毛先にデジタルパーマがお勧め
Q 今までアイロン矯正をしてました。ブロー矯正をして自然になりますか?
A 一度アイロン矯正をして、ハリガネの様に真っ直ぐなってしまったケースは、戻すのが非常に難しいのですが、ブロー矯正をすることにより現状よりは改善されます。ブロー矯正のリタッチをして徐々にやわらかい自然なストレートにしていきましょう。
Q 縮毛矯正をした髪の毛にパーマはかけれるか?
A かけれます。が、状態により著しくダメージが進行しているものに関しては難しいです。
デジタルパーマの様に、熱処理を加えたパーマがおすすめです。
Q カラーと同時に出来るか?
A 可能ではありますが、リタッチがおすすめです。毛先までカラーを施術すると、色落ちやダメージの原因となる。
Q 縮毛矯正を掛けた夜、シャンプーはしても良いか?
A 基本的には大丈夫ですが、かけたての髪は非常に不安定のため、なるべく48時間は洗わない方が良いです。もし洗ったとしても、濡れたままや、縛ったりしていると跡がついたりクセがもどる恐れがある為しっかり乾かす。
Q 地肌が弱いので不安••
A 矯正やストレートパーマの1剤は根元からつけずに頭皮から1cmほど離してつけます。薬剤付着をなるべく注意しながら塗布を進めます。心配の場合は施術者(担当美容師)に伝えて施術をしてもらいましょう。。
縮毛矯正後の注意点
① なるべく48時間はシャンプーを避けた方が良い(サロンによっては24時間)
これは酸化定着(空気酸化)といって、サロンでの2液処理だけではどうしても定着しきれない髪の毛を自然と安定状態にもどす。髪は本来、等電点といってPH値5,5前後ぐらいが安定状態といわれています。矯正したてはPH値が不安定な状態であり、自然な時間が必要なのです。
② 髪をウェット状態になるべくさせない。(すぐにしっかり乾かす)
③ ヘアケアをしっかりしてあげる。
④ なるべく髪を結んだり耳にかけない。
補足
矯正の種類やお店によっては、トリートメント成分を施術中にたっぷり使用しているため時間が経つと徐々に抜けていき手触り感がおちるため、できればサロンに月1回ぐらいトリートメントをしにくるとまとまりや手触り感が持続する(持ちが良くなる)
クセ毛のヘアケア
ドラッグストアなどで普通に売っている安価な「シャンプー・トリートメント」はくせを強くしてしまう可能性や場合もある。石油系界面活性剤は洗浄力が強く過剰に乾燥させてしまう可能性があります。おすすめは天然アミノ酸系の界面活性剤などのシャンプーです。天然ヒアルロン酸やCMC配合など内部保湿系シャンプー剤がおすすめです。
縮毛矯正やクセ毛のスタイリング方法
重要なのが上記のヘアケアを使用し、髪内部の水分バランス、アミノバランスを整え、夜のうちにブロー(水素結合)をしっかりすることにより、翌日の朝のスタイリングが楽になるります。
そのあとに、オイル系のスタイリング剤を付けることによりさらにまとまりはよくなる。できれば天然系オイルだと更によい。ブロー後にオイルを付けることにより湿気や摩擦、乾燥から守り内部の適正水分バランスを保ちやすくする。
水分を取り過ぎてもだめだし、乾燥し過ぎてもだめで適正水分バランス(12~13%)が重要になります!!