☆頭皮について☆
1・皮膚のメカニズムとバリア機能
①皮膚の構造
皮膚の構造を表面から見ると「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの部分からなっています。
表皮の表面を角質層といい、基本的には皮膚を守るバリアとして存在します。
②皮膚の機能と役割
皮膚は、人間の器官の最も大きな部分で、内臓や身体の内面の影響と生活環境や化粧習慣などの外的影響を受けています。
皮膚の役割は、「外部からの刺激や障害から身を守る」働きがあり、ホメオスターシス(恒常性維持機能)が備わっています。
ホメオスターシスとは、外部からの身体への刺激に対して、自律神経とホルモン、そして免疫作用によって、身体をいつも程よい状態を保とうとする働きです。
2・皮膚と頭皮
頭皮は皮膚と同じく、その構造は表皮・真皮・皮下組織からなっています。
真皮に接する基底層におけるケラチノサイト(角化細胞)が有棘層から始まり、表皮内を徐々に押し上げられることのより顆粒層に達する頃にはケラトヒアリン顆粒及び層板顆粒を持つようになります。
更に角質化が進み角化細胞から細胞核が失われ角化が完了し、角質層へと広がって行きます。
また、表皮における角質層はバリア機能、顆粒層は水分保持機能、有棘層は刺激に対する働き、基底層付近で光防御機能に関与しています。
この中で表皮は、基底層にある基底細胞の分裂が進むことにより有棘層→顆粒層→角質層へと押し出されていきます。
押し出された角質層は(目に見えないアカ)となって自然に剥がれていきます。
その正常なサイクルは約4週間、28日周期です。
このサイクルが乱れるなどすると、角片は目に見える大きな(フケ)になります。
頭皮は、皮脂腺や汗腺が多く、とても汚れやすい部分です。
シャンプーで皮脂などの汚れが十分に落としきれてないと、皮脂が酸化されて過酸化脂質となることで、頭皮を刺激し、かゆみやフケの原因となります。
また、そのまま放っておくと、細菌が繁殖し、匂いの原因にもなります。
3・フケ
フケは角質が剥がれたもので、フケは必ず出るものです。
頭皮から剥がれ落ちる角質(フケ)皮膚から剥がれ落ちる角質(垢)は同じものです。
頭皮の新陳代謝により、一番外側にある古い角質から順番に剥がれ落ちていきます。
正常な新陳代謝で剥がれるフケは誰にもあるものですが、頭皮にトラブルが生じると、大きくなった角質が傷口の(かさぶた)のように剥がれ落ちます。
フケが過剰に出る場合には、頭皮に何らかのトラブルを抱えている可能性があります。
シャンプーが不十分で、頭皮に過剰な皮脂やフケがたまると、肉眼でも見えるぐらいに毛穴が詰まっていきます。
「毛穴の詰まり」により、新陳代謝のリズムが崩れフケ・かゆみの原因となります。
そのままにしておくと、髪の発育を妨げ、髪が細くなったり、脱毛の原因になります。
①頭皮の異常
頭皮には角質・皮脂・細菌などの汚れの複合物のが付着しています。
これらを放っておくと毛穴をつまらせ、頭皮角質の新陳代謝や皮脂の分泌に異常をきたします。
②皮脂分泌の過剰
皮脂腺により分泌される皮脂は、皮脂分泌過剰により過酸化脂質隣頭皮の炎症を引き起こします。
更に毛穴が詰まることによって、分泌が異常となり、ホルモンのバランスを崩し、毛根機能に異常を及ぼします。
③毛母細胞の活性低下
髪は、毛球部にある毛母細胞の分裂により、S-S結合を含むケラチンタンパクが形成されます。
その毛母細胞の活性は、水分、栄養分を運び込む毛細血管の菱縮、毛穴の詰まりから生じる皮脂分泌の異常、毛母細胞の活性低下により、髪の成長を著しく阻害します。
④血行障害
毛乳頭には、多くの末梢血管があり、そこから毛母細胞に栄養が送られます。
毛母細胞はこの栄養により細胞分裂を繰り返します。血行障害は、年齢が高くなったり、ストレス、ダイエットなどの外的環境により発生します。
血行障害により毛球部にある毛細血管を菱縮させ、毛母細胞の補給を低下させます。
5・頭皮診断
①頭皮の状態はどうか?
(指の腹で軽くこすってみる)
診断結果
⑴さらっとしていて指に何も付いてこない。
⑵指に白っぽい細かいフケのようなものが付いてくる。
⑶皮脂がついて脂っぽくなる。
頭皮は表面が柔らかく、滑らかで、指にフケや脂が付いてこないのがベストです。
粉っぽいフケが付いてくる時は、頭皮が荒れて乾燥気味になり、正常な角質(フケ)が出てこなくなっています。
また、指に皮脂が付いてくる時は、シャンプーが不十分であったり、頭皮のバランスが崩れて皮脂が過剰に分泌されているのかもしれません。
②頭皮の血行はどうか?
(両手の指で頭皮の両サイドを押さえて、上下に動かしてください)
診断結果
⑴頭皮全体が柔らかく、上下によく動く。頭蓋骨と頭皮の隙間を感じる。
⑵頭皮全体が硬く、ツッパリ感がある。頭蓋骨と頭皮の隙間をあまり感じない。
健康な頭皮は、柔らかく、よく動きます。柔らかな頭皮は、毛根まで栄養分が十分に補給されています。一方、頭皮が硬く、あまり動かない人は、血液の循環が悪く、毛根へのエネルギー補給が不足しています。
③頭皮の色はどうか?
(頭皮の色を見て下さい。赤? 青? 黄?)
診断結果
⑴青白くて、透明感がある。
⑵青みがないが、やや黄色っぽい。
⑶赤っぽく、ところどころ炎症が見られる。
⑷紫外線に当たった肌のように、くすんで茶色っぽい。
健康な頭皮は、青白く透明感があります。頭皮な信号機と同じで黄色は注意、赤は危険です。
頭皮の色はスキャルプケアの羅針盤です。
頭皮に炎症が起きているとヘアカラーやパーマの刺激にもつながります。